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一般社団法人 HPCIコンソーシアム
ユーザー視点のインフラ構築を目指して
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HPCIより得られた成果事例

その他の成果事例

宮崎市中心部の広域3次元津波シミュレーション
(地震工学研究開発センター/名古屋工業大学)

大学発ベンチャー企業による宮崎市中心部の津波シミュレーション。津波が河川や建物を回り込んで遡上する様子や、道路が川のように浸水する姿がリアルな動画で再現され、津波浸水による道路や構造物への影響が確認できた。

宮崎市中心部の広域3次元津波シミュレーション

大型輸送船の航行時に船体回りに発生する微小な流れを再現
(日本造船技術センター 西川達雄)

船舶設計の効率化に向けて、船体周りの複雑な乱流の動きを世界で初めて詳細に再現した実験結果。プロペラ付近の最も渦が強い部分が灰色で示され、次いで船体や舵付近の渦の強いところが赤色で、弱いところが青色で示されている。

大型輸送船の航行時に船体回りに発生する微小な流れを再現

エアロゾルの全球シミュレーションと環境予測シナリオ実験
(宇宙航空研究開発機構 中島映至)

アジア地域でエコカーを普及させて窒素酸化物の排出を人為的に削減した場合の環境予測実験結果。赤い部分は、二酸化硫黄とブラックカーボンの濃度の月平均値が高い地域を表している。環境改善には時間がかかるため、2030年では赤い部分が残っているが、2050年では環境汚染物質が大きく減少するという予測結果が得られた。

エアロゾルの全球シミュレーションと環境予測シナリオ実験

電子の振る舞いを可視化し超伝導を再現
(東京大学 今田正俊)

第一原理計算手法によって導き出された、理論模型を構成する電子の波動関数を可視化した図。電子の振る舞いを規定する理論模型を導き出し、それを解析することによって、電子同士の相互作用の結果何がおきるか(例えば金属になるか、絶縁体になるか、超伝導になるか)を明らかにすることができる。

電子の振る舞いを可視化し超伝導を再現している

最小自由エネルギー経路探索法による全原子ダイナミクス
(理化学研究所計算科学研究機構 松永康佑)

50万原子に及ぶ非常に複雑な生体分子系である多剤排出トランスポーターAcrBが、膜内アミノ酸の状態変化を駆動力として薬を排出する様子を再現し、薬が細菌内から排出されるメカニズムを初めてシミュレートした。

最小自由エネルギー経路探索法による全原子ダイナミクス

「ガンマ線バースト」の発生機構に迫る
(理化学研究所 長瀧重博)

宇宙最大の爆発現象といわれるガンマ線バーストのジェット形式の数値シミュレーション例。高速回転しているブラックホールからジェットが噴出している様子を再現している。色は密度、白線は磁力線を表す。

宇宙最大の爆発現象といわれるガンマ線バーストのジェット形式の数値シミュレーション

神経回路網活動のシミュレーション
(東京大学 神崎亮平)

カイコガの嗅覚系神経回路網(約1万ニューロン)を再現し、その活動の様子を時系列に並べたスナップショット。神経信号が、左右の前運動中枢内を広がっていく様子が表されている。

カイコガの嗅覚系神経回路網(約1万ニューロン)を再現

シミュレーションによる薬の設計
(京都大学 奥野恭史)

分子動力学シミュレーションによって、CDK2という酵素(がんの原因分子の1つ)に薬候補の化合物(黄色)が結合する様子を計算した結果(本来は動画)。酵素の周りに広がっているのは水分子。

シミュレーションによる薬の設計

シミュレーション実験による水はね現象の解析
(日本自動車工業会 羽貝正道)

水たまり走行中の「水はね衝撃」によるボディ下部への影響を、シミュレーションによって時系列に沿って再現し、ボディ下部に加わる力を解析した。

シミュレーション実験による水はね現象の解析

集中豪雨の超高解像度シミュレーション
(海洋研究開発機構 大泉 伝)

伊豆大島での豪雨における観測データ(左)と再現実験結果の比較。降水帯の中心位置が観測よりも伊豆半島側にずれたが、水平解像度250m(右)では、観測とよく似た位置に降水帯が再現されている。

集中豪雨の超高解像度シミュレーション

建物に作用する局部風圧を再現
(清水建設)

風洞実験施設を忠実に再現した最大100億格子のシミュレーションにより、局部風圧による複雑な流れ場の挙動を詳細に再現。この知見から、隣接建物の空間配置を工夫するなど、局部風圧の軽減や制御のための対策が検討できるようになった。

局部風圧による複雑な流れ場の挙動を詳細に再現

一般社団法人 HPCIコンソーシアム HPCIが拓く科学技術の未来 (2017年3月17日) より



スーパーコンピュータによって期待される成果の例

心疾患のマルチスケール・マルチフィジックスシュミレーション
(研究代表者:東京大学・久田俊明)

細胞・組織・臓器を部分ではなく、心臓全体をありのままに再現し、心臓病の治療法の検討や薬の効果の評価に貢献

心臓シミュレーション
心臓シミュレーション

創薬応用シミュレーション
(研究代表者:東京大学・藤谷秀章)

新薬の候補物質を絞り込む期間を半減(約2年から約1年)して画期的な新薬の開発に貢献

薬候補のタンパク質への
高精度結合シミュレーション

地震・津波の予測精度の高度化に関する研究
(研究代表者:東京大学・古村孝志、東北大学・今村文彦)

50m単位(ブロック単位)での予測から地盤沈下や液状化現象等の影響も加味した10m単位(家単位)の詳細な予測を可能とし、都市整備計画への活用による災害に強い街作りやきめ細やかな避難計画の策定等に貢献

シミュレーションによる
地震・津波の被害予測

乱流の直接計算に基づく次世代流体設計システムの研究開発
(研究代表者:東京大学・加藤千幸)

乱流の直接計算を工業製品の熱流体設計に適用することにより、従来行われていた風洞実験などを完全にシミュレーションで代替し、設計の効率化に貢献。

シミュレーションによる
地震・津波の被害予測

シリコンナノワイヤーのシミュレーション
(研究代表者:東京大学・押山淳、岩田潤一)

ナノレベルの精密シミュレーションにより、低消費電力トランジスタなどの新しいデバイスや高効率な電池材料などの機能性材料の開発等に貢献

シリコンナノワイヤー内の
電流の通り道の解析

地球規模の気候・環境変動予測
(研究代表者:JAMSTEC・時岡達志、東京大学・木本昌秀、佐藤正樹)

世界初の雲まで解像できる高解像度の大気モデルを用いて、熱帯の巨大積乱雲群の東進を予測。2週間以上先の天気予報の可能性を切り開く

全球雲解像モデルNICAM
によるシミュレーション

超新星爆発およびブラックホール誕生過程の解明
(研究代表者・京都大学・柴田大)

高精度な一般相対論的流体計算及びニュートリノ輻射輸送計算で、従来再現に成功していない重力崩壊型の超新星爆発及びブラックホール誕生過程を解析、評価する。

超新星爆発の3次元
シミュレーション

船体まわりの流れのシミュレーション
(研究代表者:東京大学・加藤千幸)

ミクロンオーダーの渦まで再現することにより、予測精度を飛躍的に向上させ、実験を完全にシミュレーションで代替し、開発コスト・開発期間を大幅に削除することを目指す。

プロペラ回転や波の影響も考慮した、
300億格子規模の超大規模実用計算
(財団法人 日本造船技術センター 提供)

文部科学省 今後のHPCI 計画推進の在り方について(中間報告)平成25 年6 月25 日 より